【売約済】ポゴレリチ／ブラームス:3つの間奏曲 作品117、他 本・音楽・ゲーム

ブラームス
①カプリッチョ 作品76-1
②間奏曲 作品118-2
③ラプソディ 作品79-1
④ラプソディ 作品79-2
⑤間奏曲 作品117-1
⑥間奏曲 作品117-2
⑦間奏曲 作品117-3

イーヴォ・ポゴレリチ(ピアノ)
録音:1991年、1992年

間奏曲を中心とするブラームスのピアノ曲では、グールド やアファナシェフなどの名盤がありますが、ポゴレリチ盤も負けていません。特異性という点においては、グールド やアファナシェフのさらに上をいくかも知れません。極端に遅いテンポの中に、ブラームスの苦悩、葛藤、孤独など、その深遠な奥行きある音楽の核心を表現しています。廃墟の街を一人歩く時に聴こえてくる音楽、そんな印象です。毎晩、眠りにつくときに聴くのにも最適かもしれません。

引き延ばされたフレーズ、強靭極まりない打鍵、デュナーミク、アゴーギグが半端ではない。ただ引き延ばされているのではなく、そこに必然的な豊かさがあり、それは響きの豊かさでもあるし、情感の豊かさでもあるのだ。これは、この音楽をきちんと把握して知るものでなければ実現し得ないものであると思うし、他の演奏者では有り得ない改変すれすれでありながらも、この上ない説得力を持っている。一聴して極端とも取れ兼ねないアプローチに、これ程の必然性を纏わせることの出来るポゴレリチの、感性と表現力の勝利だと思うのである。殆どオーケストラによる管弦楽か交響詩的な表現域の大きさと深さは、ピアノ１つで表現できるものとしては驚異的であるが、録音の良さも一役買っている様に思う。アコースティカルなピアノの音色と、過度ではない音場感を演出する響きが絶妙である。作曲者のブラームス自身でさえ、この演奏効果は予想だにしなかったと思う程の世界観。他の演奏とは比較できないものになっている。敢然とポゴレリチ流が貫かれているこの世界は、この曲を最初にこの演奏で聴いてしまうと危険なのかも知れない。それ程に、この濃厚なロマン性と深遠さが他に望み得るものではなく、唯一無二の独自の完成度を持つブラームスとなっている。

国内盤、帯無し、盤面傷無し　11

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